ID:10572
日本近代洋画への道展
―山岡コレクションを中心に―
会場
北九州市立美術館
Kitakyushu Municipal Museum of Art
会期
2006年6月10日(土) ~ 2006年7月9日(日)
展覧会概要
日本近代洋画への道展 ニホンキンダイヨウガヘノミチテン ―山岡コレクションを中心に―
明治期、洋画誕生時代の「リアル」
江戸から明治へと移り変わる時代は、日本の歴史の上で政治的にも、また文化的にも大きな転換期でした。美術の世界でも油彩画の流入という画期的なできごとにより、まさに激動の時代の幕開けとなりました。
写実的な挿絵、精巧な地図や図解など、江戸時代後期に初めて西洋絵画を目にした日本の画家たちは、その迫真的な写実主義に驚き、なんとかその技法を身につけようと試行錯誤を繰り返しながら、新しい芸術の創造へと歩みだしていきました。
この展覧会では、日本の近代洋画史をたどる上で、欠かすことのできない山岡コレクションによって、洋画誕生の歴史を振り返ります。山岡コレクションとは、実業家、山岡孫吉氏(1888-1962、日本におけるディーゼルエンジン事業の創始者)によって収集された日本洋画の一大コレクションで、長らく一部の研究者のみが知る幻のコレクションとされてきたものです。
絵空事を夢見ながら描くのではなく、現実を直視しながら描く絵。リアルということ。これらは江戸後期になって西洋科学との出会いによって日本人にもたらされた姿勢です。明治期の油彩画の例を数点見てきましたが、それぞれ当時の画家たちは、日本人にとって油彩画とは何か、日本人の油彩画はどうあるべきかなどの問題について真剣に考え、作品を制作しています。その問題意識は絵画だけの問題にとどまらず、ひいては広く、日本とは何か、日本はどうあるべきか、という問題について考えることでもありました。と同時に、作品を発表することは、各人の意思表明でもありました。彼らは文字通り現実を直視し、対象に肉迫する絵を描き残してくれています。現代の我々がそうした作品の一つ一つを直視しながら、そこに込められたメッセージを丁寧に読み取っていくこと。そこには現代社会の「リアル」について考えるヒントも隠されているのではないでしょうか。
- 主催者
- 北九州市立美術館、読売新聞社
- 休催日
- 毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は開館し、翌日が休館)
- 観覧料
- 一般800【600】円
高大生600【400】円
小中生400【300】円
※【 】内は、前売り及び20名以上の団体料金
- 展覧会ホームページ
- http://kmma.jp/
- 展覧会問合わせ先
- 北九州市立美術館 Tel.093-882-7777
会場情報
北九州市立美術館 キタキュウシュウシリツビジュツカン
Kitakyushu Municipal Museum of Art
- 会場住所
-
〒804-0024
北九州市戸畑区西鞘ヶ谷町21-1 - ホームページ
- http://www.kmma.jp
登録日:1999年3月31日