思いもつかないものを現実に作り出してしまうアーティストの奇想天外な発想に出会うことは、美術作品を鑑賞する楽しみのひとつです。第1部【色と線の魔法】、第2部【トリックによる幻惑】の2部構成からなる本展では、色と線の組み合わせによってあたかも手前の空間に立体物が飛び出しているかのように見えるヴィクトル・ヴァザレリの絵画や、鏡を巧みに使うことにより見る角度によって色を変える飯田昭二の作品など、ユーモアと才気あふれる作品約20点をご覧いただきます。アーティストが仕組んだトリックや独創的なアイデアは、「見る」ことの不思議さを気付かせてくれると同時に、新鮮な驚きをもたらしてくれることでしょう。