インド一帯では、紀元前から、仏教やジャイナ教において造寺、造像がおこなわれ、寺院を荘厳する装飾や仏像・祖師像などが彫刻されてきました。また、あらゆる社会階層に浸透したヒンドゥ教においても、グプタ朝時代(4~6世紀)には彫刻の制作が盛んになり、神々が堂内に充満するかの如く、寺院は無数の彫像で荘厳されるようになりました。
このような古来より続く宗教美術における彫刻の厚い伝統を背景に、今日のインドでも優れた彫刻家を輩出しています。そして、そのことはインドの現代美術の特色のひとつになっています。本展では、インドの現代彫刻作品を、それをめぐる絵画や写真作品と一緒に紹介します。