徳川四天王の一人・酒井忠次を祖とする酒井家は、元和八年(一六二二)十三万八千石の藩主として庄内に入部し、以来二百五〇年間この地方を統治しました。
庄内地方は南東北側に出羽丘陵の山々や鳥海山がそびえ、西側は日本海に面し、最上川や赤川流域を中心として豊沃な田園が拡がっています。
歴代藩主は農政に力を注ぐとともに、日本海航路の拠点・酒田港との発展による流通経済の確立と相まって、豊かな庄内米の産地として名声を高めていきました。また西国の文物の移入もはかられ、文化の形成に大きな影響を与えてきました。
本展は藩主酒井家歴代の方々の書画作品を中心に伝来の文化財を展観し、藩主としての人となりやその時代の歴史と文化を考える一助にいたしたく存じます。