山形が生んだ現代アーティスト・後藤克芳の全貌を紹介する。1936年米沢市に生まれた後藤は、武蔵野美術大学卒業後、同校同級生の赤瀬川原平、秋山祐徳太子らとともに前衛集団ネオ・ダダ結成に関わった。1964年アメリカ・ニューヨークへ渡り、さまざまな職業につきながら、日常生活の見慣れた道具を独自に解釈、変形し、木彫でリアルに表現したユニークなポップアートを発表した。幾度かの展覧会を経て、実力を確かなものにしていく一方、大規模な個展開催に向けて準備を進めていたが、2000年惜しくも癌でこの世を去った。本展は伝国の杜・米沢市上杉博物館の協力のもと、作品90余点により、当地へ訪れた郷里の若者を好んで面倒をみたという、人を愛し、ニューヨークとアートを愛した後藤克芳の足跡を回顧する貴重な機会となる。