1928年、京都市に生まれた堂本尚郎は京都市立美術専門学校の日本画科に学び、若くして日展で特選を受賞するなど、早くからその才能を開花させます。1952年、伯父堂本印象とともに滞欧した経験は堂本に大きな影響を与え、1955年に堂本はパリに渡りました。当時、パリではアンフォルメルという絵画運動が勃興し、堂本はたちまちその中心的な作家の一人として注目を浴びるにいたります。堂本は日本画から洋画に転向しただけでなく、その表現も雲や波頭を思わせる雄渾な絵画から、車の轍のような物質的な絵画、円のパターンが繰り返される夢幻的なイメージへと転変を繰り返します。
京都、パリ、ニューヨーク、東京と世界を舞台に活躍を続けた堂本の絵画の魅力を半世紀にわたる約120点の作品によって紹介します。