■企画趣旨
浜田市世界こども美術館では、開館以来、世界の子どもたちの絵を中心に、その国の生活や文化を紹介する展覧会シリーズ(韓国、フランス、アメリカ、メキシコ、中国)を開催してきました。今年は同じアジアの仲間、しかし身近なようで知られていない国<フィリピン>が主役です。フィリピンに暮らす子どもたちの絵、そして、伝統的な衣装やめずらしい生活用品など、ふだん触れることのできない品物を中心に、フィリピンの魅力をたっぷり紹介します。
“ハロハロ!?”
あいさつ“ハロー”の変化形?いえいえ“ハロハロ”とはフィリピンの代表的な食べ物の名前で、かき氷とアイス、プリンや果物が一緒になった冷たくて甘いデザートのこと。フィリピノ語(フィリピンの公用語)で、ずばり“いろいろなものがまざりあっている”という意味だそうです。この“ハロハロ”のように、伝統的なものとスペインやアメリカなどの文化が混ざり合ってできたのが現在のフィリピン文化。昔から続く水牛を使ったのどかな田植え風景。アメリカのジープを改造した乗合バス“ジプニー”のカラフルな姿。どちらもフィリピンのユニークな文化です。
本展では、この“ハロハロ”という言葉に象徴されるフィリピンの姿を、子どもたちの絵と様々な文化的資料を通して、楽しく紹介していきます。
約110点の子どもたちの絵は、明るく、カラフルな色彩が魅力的で、フィリピンで暮らす彼らの“今”が生き生き伝わってきます。そして、フィリピンの文化や生活を写真で紹介したり、伝統的な民芸品に触れたり衣装を着たりできるコーナー、さらには、フィリピンの「なんでも屋(雑貨店)」“サリサリ・ストア”を再現したり、手作りジプニーを飾り付ける体験コーナーを設け、「みて、ふれて」楽しむことができる展覧会にする予定です。
本展を通して、知らなかった世界に触れる驚きや感動、そして人種や言葉を超えた共感を、子どもたちが強く感じてくれることと期待しています。