時は幕末、元治元年(1864)7月1日、富山城内三之丸において家老山田嘉膳(かぜん)が斬殺されるというショッキングな事件が起こりました。この事件の根底には、低い身分から一代で家老にまで昇り詰めた嘉膳が、藩の権力を握って改革を進めたことに対する反発がありました。当時、反嘉膳派は、彼を除こうと画策していましたが、若手メンバーの一人、島田勝摩(かつま)が暴発して暗殺するにいたったのです。
今回、この事件を描いた絵巻物『越富奇談島山物語』を中心に、本事件を紹介します。なお、この絵巻物の公開は、約30年ぶりとなるものです。