豊臣秀吉の出世城として知られ、山内一豊にとっても初めて一国一城の主となった長浜城。秀吉が長浜城主であった時代には、一豊はその家臣として千代と共に城内に住み、戦功を上げて出世の足がかりをつかんでいきます。また、自身が長浜城主になった時も、夫婦共に居住し、さまざまな思い出を残した一豊・千代の生活の場となります。
北近江は、この他にも見性院(千代)の出身地である坂田郡飯村(米原市飯)、法秀院(一豊母)が寄寓した坂田郡宇賀野村(米原市宇賀野)の長野家、それに一豊初の領地である浅井郡唐国(虎姫町唐国)など、ゆかりの地が点在します。また、横山城・小谷城などの城郭や、姉川・賤ヶ岳などの古戦場など、一豊が秀吉の部将として駆け抜けた旧地が、多く知られています。
長浜城歴史博物館では、13回のテーマ展からなる特別企画「一豊と秀吉が駆けた時代―夫人が支えた戦国史―」を開催します。ここでは、北近江と一豊・秀吉との深い関係を、美術工芸品や歴史資料などの実物資料を使って紹介します。