これは「淡紅色(rose)」という色の本質を表現する展覧会です。色彩はわたしたちの日常生活に重要な役割を果たしています。進化の流れの影響だけでなく、色彩の使い方や認識の仕方はそれぞれの文化の文脈によって決められるものです。
日独の二つのワーキンググループによる共同プロジェクトであるこの展覧会とカタログは、見るものにその視野を広げる機会を与えることになるでしょう。
淡紅色(rose)。このエモーショナルで矛盾に満ちた色はこれまでほとんど研究されたことがありませんでした。それだけに一層、何百年もの歴史を持つ造形芸術の伝統の中では、最新のものに至るまでこの微妙な色彩をみごとに使ったエネルギッシュで独特な作品が繰り返し生み出されて来たのでしょう。(バーバラ・ネーミッツ:バウハウス大学造形学部教授)
本展は、この「Rosa」という色の本質を考え、表現する場として、東京芸術大学美術学部とバウハウス大学ワイマール造形学部の日独ワーキンググループによって実施されます。平面・映像・インスタレーションなど、両大学の学生・教員が本展覧会のために制作した作品に加え、当企画のテーマに沿った国際的アーティストの作品も紹介されます。また、展覧会終了後、ワーキンググループ及び外部から招かれる各専門家によるRosaに関するテキストと展覧会出品作の図版とを併せたカタログが、国際出版される予定です。Rosa=バラ色-ピンク色-桜色-これらのイメージをめぐる試みは、見る者に視野を広げる絶好の機会となるでしょう。