新しい映像や音響のメディアを手にしたとき、あるいはラジオやインターネットの接続に成功したときのわくわくする気持ちは、今も昔もきっと変わりません。そこには、新しいものへの好奇心だけではなく、それまでじっとしていた時間や空間が生き生きと動きはじめるような、見慣れた世界を再発見する悦びがあります。
この展覧会では、戦後60年の間に日本のアーティストたちが試みてきたテクノロジーを使った実験の数々を振り返り、さらに国内のアーティストたちの近作も同時に展示いたします。
これまで、キネティック・アート、実験映画、環境芸術、ヴィデオ・アート、アクティヴィズム、ライト・アートなど様々な呼称が与えられてきた一連の作品が、複数の潮流をたどりながら現在から未来へと向かっていることを概観できる、貴重な機会になるのではないでしょうか。