時間を表現した芸術というと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。音楽?映画?演劇?多くの人は、このような時間的な展開をみせる表現形式をあげるかもしれません。では、美術の場合はどうでしょう。静止したまま動かない絵画や彫刻は、一見時間を表現しているようには思えないかもしれません。でも、じつは美術のなかにも時間をテーマにしたり、こっそりと隠しもっているものがたくさんあるのです。
時間の経過とともに割れてくる木をそのまま作品にしたものもあれば、一瞬の水や雲の輝きをとらえたもの、ある場所の様子や時間を記録したものや、昔の記憶をとどめようとしたものまで、よく見ると美術においても時間はさまざまなかたちであらくぁされています。そしてこれらの作品には、本来見えない時間を目に見えるかたちで示そうとする作家たちの意欲的な姿勢や、鋭い感性を感じさせる魅力的なものが少なくないのです。
作家たちは時間をどのようにとらえ、作品にとりこみ、あらわそうとしているのでしょうか。あなたも作品のなかの時間をさがしてみませんか。