作品、それは作家たちの想像力と思想と技量の結実したものです。古今東西、作家たちは彼らが属する時代、地域と密接に関わりながら、自らの想像力を作品に注ぎこんできました。動物に関して言えば、動物のかたちがそれらしく表されたもの、歴史的な捉え方が採用されているもの、画家の想像力が投入されたものなど、さまざまな表し方があります。動物も同様で、植物の形体そのものを素直に表現したものから、線的に伸びていくという特性のためか、作家の想像力により、他の物体と結合して変形したようなものもあります。本展では北九州市立美術館と周辺の美術館のコレクションの中から、ありのままに描かれたものから、作家たちの想像、夢想から生まれ、幻想的に描かれたものまで、すなわち動物、植物、そしてそれらから発展したものを表現した作品を集め、美術館の中に動物園と植物園、そして怪物園を現出させます。この動物園、植物園、怪物園を実現するため、今回の展覧会では北九州市立自然史・歴史博物館の学芸員、また到津の森公園の獣医師と共同して行きます。アートからだけでなく、植物学、動物学、考古学などさまざまな見地から作品を見てゆきます。大人と子供が共に楽しめる展覧会となるでしょう。