北出不二雄氏は養父北出塔次郎のもと、加賀市栄谷町の青泉窯で九谷の伝統に立脚して色絵や造形を研究し、彩釉陶という独自の技法を確立しました。また石川県山中町の古九谷古窯調査に参加するなど、古九谷研究にも深い造詣があります。さらに同氏は、九谷焼技術保存会会長、金沢美術工芸大学学長として後進の指導にもあたり、石川県の美術工芸の発展に大きく寄与されました。
作陶55周年を記念して開催される本展は、北出氏の作陶の歩みを、初期から近作までの約30点でたどるとともに、何よりもご注目頂きたい趣旨として、同氏の美意識・造形思考を知るために、同氏が選定した本館所蔵の古九谷11点をコメントを添えて展示します。
従来とは、ひと味違う切り口に是非ご期待下さい。
主な展示作品
・瑠璃金銀蒔絵林檎図飾皿
・彩釉陶 僻村の春
・黄釉南天文壺
・彩釉陶 暮れる蓮池
・青釉 「春過ぐ」
◇ギャラリートーク 6月18日(土)13時30分より 村瀬博春 学芸専門員
※展示室内で行いますので、観覧料が必要です。