安東聖空(あんどうせいくう)(1893~1983)は昭和のかな書芸術を代表する作家のひとりです。兵庫県で生まれ、神戸を本拠地として活躍しました。
聖空は平安時代の古典(古筆)を手本に独学でかな書を研究し、そこから進んで展覧会向けに大字のかなを試みたり、また読みにくい変体がなを廃して平明な表現につとめるなど、文字どおり昭和のかな書をリードし続けました。戦後、創設されたばかりの日展の諸部門で活躍し、日本芸術院賞や文化功労者という栄誉を受けています。
聖空没後、その代表作はご遺族から神戸市立博物館へ寄贈されました。本展はそれらの中から、日展に出品した屏風の大作や聖空百人一首など約50点を展示します。
当館では20年ぶりのまとまった回顧展で、聖空の書業をふりかえる久しぶりの機会です。