日本を代表する中世集落遺跡として知られる草土千軒町遺跡は、河川敷という地下水の豊富な場所に位置していたため、通常の遺跡では残りにくい木製品が大量に出土しています。
その中でもとくに注目されるのが、木の札に墨で文字などを記した木簡です。木簡の記載内容からは、鎌倉時代から室町時代にかけて、この集落で活発な商品・金融取引が繰り広げられていたことが復元でき、資料の少ない当時の経済活動を知る上で貴重な情報を提供しています。
今回の特設展示では、草土千軒町遺跡出土の代表的な木簡を展示し、草土千軒の集落が、地域経済拠点として芦田川の中・下流域の人々の生活に重要な役割を果たしていたことを紹介します。