秋田県立近代美術館は平成15年4月に開館10年を迎えました。これにあたり、開館以来収集してきた作品を「美術館の眼・10年間の収集記録」というシリーズ展としてご紹介いたしております。3回目となる今回はその最終展として、平成12年度から平成15年度に収集した作品を2部構成でご紹介いたします。
第1部(2.24-3.27)では本県とゆかりのある作家たちによる「郷土の日本画たち、洋画家たち」の他、戦後画壇に独自の道を拓いた前衛画家たちをテーマごとにご紹介いたします。福田豊四郎の小品の中でも秀逸な「田園抄 村童十二ヶ月」、夭折の日本画家柴田春光の大作「狭布の里」、戦前の二科会活躍した田口省吾「街の音楽」と当館になくてはならない作品群が展示されます。
また、第2部(3.30-5.8)では「近代日本画の礎」と題して、伝統絵画の中に西洋美術に通じる写実性を獲得し、新時代の日本画を築き上げた日本画家たちの作品をご紹介いたします。ここには平福穗庵の「乳虎」、寺崎廣業の「高山清秋」、平福穗庵の「春山」など秋田を代表する近代日本画の名品が揃うことになりました。他に書家の松井如流、漆工芸の古関六平など、各分野に活躍した作家たちの作品が勢揃いいたします。
10年を一つの節目として、館員一同、美術館を訪れる方々のため努力する決意を新たにいたしました。今後とも皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴重な美術作品や資料をご寄贈くださいました方々をはじめ、作品の収集にご協力いただきました関係各位に、心よりお礼申し上げます。
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