1901年稲沢市に生まれ、1986年パリに没した荻須高徳は、半世紀を超えるパリでの制作活動によって、パリを描いた画家として人々の記憶に深く刻まれています。稲沢市荻須記念美術館は、昭和58年の開館以来、記念館として荻須高徳の顕彰に努め、その作品調査を進めてまいりました。本年、開館21年目を迎え、美術館としての基本に立ち戻り、近年の調査によって明らかになった作品を中心に、油彩画43点を集め、皆さまに新しい荻須の側面をご覧いただけるようこの展覧会を企画しました。
出展作品は、荻須の油彩画のうち、個人秘蔵のコレクション、新たに所蔵先が判明した作品、近年の主な荻須展に出品されていない作品を全国から集めました。海外で所蔵されてきた日本発公開の作品、50年前の展覧会以後コレクターによって“秘蔵”されてきた作品など、必見の作品が揃っています。また、ご遺族から当館に寄贈され、長く保存してきた文献資料なども展示します。ぜひご高覧ください。