美術館活動の核はコレクション(収蔵品)です。日本では多くのミュージアムがそれぞれのミッションのもとで作品を収集し活用を行っていますが、石川県立美術館のコレクションの特色は、幅広い分野・時代の作品を所蔵していることです。「石川ゆかり」をキーワードに、古美術・工芸・絵画・彫刻などを網羅する作品群が、1959年の開館以来、今日まで受け継がれています。
このたび、当館コレクションの魅力を発信する事業として本展を開催します。「金属」というテーマのもと、古美術から現代までの作品が一堂に会します。ふだんは時代や技法ごとに別々の展示室で紹介されている作品を同時に紹介する内容は、当館としては新たな試みとなります。「用途」「技巧」「素材」という3章構成で、音や重さ、“超絶技巧”など、様々な視点から金属の魅力に迫ります。冷たい、無機質などとイメージされることも多い金属ですが、実は色彩豊かで様々な表情をみせる素材であることを体感いただけることでしょう。
本展は、金属の魅力を紹介するとともに、コレクションの魅力をこれまでとは異なる視点から発信する機会となります。当館コレクションを見慣れた方も、そうでない方も、新たな発見を楽しんでいただければ幸いです。