本展は、海外でも数多くの展覧会が開かれ、現在最も注目を集める写真家・宮本隆司(1947年東京生まれ)の初期作品から最新作まで、その20年を越える活動の全貌を国内で初めて本格的に紹介します。
本展では、解体され、消えゆく歴史的名建築をモノクロームの静謐な視線で捉え、89年第14回木村伊兵衛写真賞を受賞した<建築の黙示録>から、香港の巨大スラム建築の存亡を扱った<九龍城砦>、カンボジアのアンコール遺跡を撮影した<アンコール>、阪神淡路大震災に取材した<神戸1995>、ホームレスによる極限の建築<ダンボールの家>、ベルリン<美術館島>、<ピンホールの家>といったこれまでの作品に、最新作品を加えた約200点を展示します。中でもヴェネツィア・ビエンナーレに出品した高さ4m50cmに及ぶ巨大写真<神戸 1995>は、国内初の展示となります。日本での本格的個展が待望されていた宮本隆司の作品が通覧できる絶好の機会となるでしょう。