「オマケ」はもともと、商売上の価格競争で「負け」ること、つまり商売相手との交渉や要求に「負け」ることを指していましたが、現在では商品に附帯するサービス、景品、付録をも指すようになり、意味合いの幅も拡がっています。
この「オマケ」を用いた販売方法のルーツが実は富山の「売薬さん」にあったとされています。富山から全国に薬を配置して販売する「売薬さん」は江戸時代の後期からお得意さん=顧客におみやげや進物として「オマケ」を配布していました。当時は、地方と江戸や上方といった都市との往来(人の流れ)は少なく、娯楽や情報の少ない時代でした。地方の庶民にとって、「オマケ」は、都市の情報や流行など「売薬さん」を通して、文化の伝播装置としても機能したのでした。
本企画展では、「売薬さん」が配布したいろいろな「オマケ」のうち、その変遷や時代を象徴するものを中心に、現在も人気のある懐かしい「オマケ」なども併せて紹介します。