マルク・シャガールは、1887年帝政ロシア(現 ベラルーシ)のヴィテプスクの東欧系ユダヤ人家庭に生まれました。フランスを拠点として活動し、「愛の画家」「色彩の魔術師」などと呼ばれる、20世紀を代表する巨匠の1人です。
シャガールが描く芸術は、ユダヤ人としての民族の悲劇と郷愁に根差した幼い頃の思い出、婚礼、祭りなどを源泉とし、それらをモチーフに幻想的で神秘的かつ詩情に溢れ、色彩豊かな画風で描かれ、今も世界中の人々を魅了してやみません。
またシャガールは、油彩画だけでなく、グワッシュ、版画、陶器、ステンドグラス、舞台美術等幅広いジャンルで活躍しましたが、特に版画は銅版画、リトグラフを中心に生涯で2000点を超える作品を残しています。
本展では、シャガールが生涯にわたり重要なテーマとして取り組んだ、旧約聖書に基づく『バイブル』、イスラムの説話集をもとにした『アラビアンナイトからの4つの物語』、またカラーリトグラフの最高傑作と言われる『ダフニスとクロエ』など、8つの版画集を紹介します。
シャガールが描く、色彩豊かな愛と祈りの世界をお楽しみください。