今から100年前、出光興産株式会社創業者で出光美術館創設者の出光佐三がまだ19歳の学生であった頃、当時それほど知られていなかった仙厓の「指月布袋」の軸に目を留め、父に頼んで手に入れたのが出光コレクション形成の第一歩となりました。それ以降、田能村竹田、古唐津や古九谷といった日本の書画・陶磁器、中国陶磁や青銅器、小杉放菴、板谷波山、さらにはルオーやサム・フランシスの作品へと蒐集は広がって、現在のコレクションの核となる逸品が集まっていったのです。日本の美の伝統を愛し、その蒐集・保存、公開に情熱を注いだ一人の蒐集家の軌跡を、コレクションの名品を通してたどります。
なお、仙厓カレンダー50年の歴史を振り返る特集展示もいたします。