歌舞劇である能とせりふ劇である狂言は、室町時代に完成された舞台芸術です。
悲劇や伝説・故事が中心の能と、喜劇が中心の狂言との違いはありますが、ともに簡素な舞台で、極限まで簡略化された所作によって演じられます。役者の演技もさることながら、用いる面や装束も能や狂言の中で重要な役割を担っています。どの面や装束をその日の上演に選ぶかで、その演出が決まるといっても過言ではありません。
長い年月をかけて洗練され完成された能面の微妙な表現や狂言面の豊かな表情、また染織技術最高の結晶である重厚華麗な能装束、狂言装束にみられる様々なデザインを紹介します。