堀忠夫は、北海道学芸大学で美術を専攻し、卒業後美術教師を務めながら絵を描き、その初期から活躍が目覚ましく、1968年道展「道立美術館長賞」、69年「協会賞」を連続受賞しています。1970年代に入ると、海外取材に目を向けると同時に、その画風が中村善策所属の一水会展に向いていると勧められ、1978年「トレドの土産屋」で第40回一水会展「有島奨励賞」を射止め、翌年一水会会員に推挙されました。
ちょうどこの年、市立小樽美術館が開館し、堀は「市展」や「小樽美術協会展」で小樽美術界の重要な役割を担うこととなります。
その後、海外の歴史的遺産に心を奪われ、ギリシャをはじめヨーロッパ、南北アメリカ、中国などの文化遺産の連作に移ります。最晩年はイタリアやエジプトの重厚な寺院や城址を題材に、緻密描写による確かなリアリティをもった絵画に完成させました。
本展は、風景画家中村善策の一水会の系譜に連なる、多彩な人脈を紹介する第2弾です。
エキゾチックな異国情緒に魅かれ、遥かな時空を超えて、現代に息づく歴史的な遺産をテーマとした堀忠夫の“旅で見た風景”を中心に展覧いたします。