タイトル等
ちひろが描いた映画と音楽
会場
安曇野ちひろ美術館
展示室1・2
会期
2022-03-01~2022-05-29
概要
ちひろは若いころから映画と音楽に親しんでいました。本展ではちひろが好きだった映画や音楽とともに1960年代後半の絵本表現との関わりを読み解きます。

映画と音楽への憧れ

大正生まれのちひろの家には、当時珍しかったラジオや蓄音機、オルガンがありました。娘時代は映画「オーケストラの少女」の女優ディアナ・ダーヴィンに憧れ、主人公が着ていた洋服を真似て、ワンピースを手づくりしています。都会的な家庭で育ったちひろには、外国の映画や音楽に親しむ素地がつくられていました。

1946年5月、絵で身を立てることを決意したちひろは、疎開先から上京し、戦争の名残が色濃く残る神田で生活を始めます。叔母の家の屋根裏に間借りし、芸術学校に通いながら、新聞記者の仕事をして暮らしていました。アメリカの映画俳優・歌手でタップダンスの名手でもあるフレッド・アステアの大ファンだったちひろは、このころ自宅で毎日のように彼のレコードを聞いていました。忙しい生活のなかで心が沈むとき、アステアはちひろの心の支えになっていました。

新聞記者として書いた記事のなかで、ちひろは、ミシンを扱う手を「美しい指の踊り」と表現しています。ミシンの音とそれを操る手の動きに、リズミカルにタップを踏み、華麗に舞い踊るアステアのイメージを重ねていたのかもしれません。映画と音楽がちひろの感性に深く結びついていたことが推察されます。

このほかにも、クラシック音楽やジャズ、ロシア民謡を口ずさんでいたというちひろにとって、音楽は常に生活のなかにありました。映画と音楽への憧れは時を経ても色あせず、ちひろの心に残り続けました。

映画と音楽を絵本にする

やがて子どもの本の世界で活躍するようになったちひろは、1960年代半ばから絵本の仕事を多く手掛け、1960年代後半には、映画や音楽の絵本化に取り組みました。

アンデルセン原作の「あかいくつ」は、ちひろが繰り返し描いてきた物語ですが、1968年に手がけた絵本には映画「赤い靴」(1950)のバレエのシーンの影響が見られます。丸く広がるスカートはバレエのターンを連想させ、俯瞰の構図で捉えることで、一層動きが際立っています。

ウェーバーのピアノ曲「舞踏への勧誘」を絵本にした『ふたりのぶとうかい』は、盛り上がる曲調では鮮やかな大輪のバラを描き、細やかなリズムは小花を散らすなど、音楽のメロディーやハーモニーを絵本で表現しました。

新しい絵本づくり

1968年、絵本でなければできないことを目指し、ちひろは編集者とともにストーリーを中心としない新たな絵本づくりに挑戦します。「雨の日」「留守番」というイメージをことばに頼らず、絵本で表現するにあたり、偶然テレビで見た映画「しのび泣き」(1949)の雨のシーンにちひろと編集者はヒントを得ます。男女の悲恋を描いたこの映画では、最小限の説明と詩情に富んだ台詞や画面が深い余韻を残します。ちひろは、絵本『あめのひのおるすばん』で留守番の最中に期待と不安が入り混じる少女の心情を、最小限のことばと淡く溶け合う色合いで表現し、絵で展開する絵本をつくりました。

1960年代後半に集中して行われた映画や音楽を絵本化する試みは、表現の幅を広げ、絵で展開する独自の絵本づくりにつながっていきました。ちひろが描いた映画と音楽の世界をお楽しみください。
ホームページ
https://chihiro.jp/azumino/exhibitions/54925/
会場住所
〒399-8501
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
交通案内
[電車によるアクセス]

■安曇野ちひろ美術館の最寄り駅
●JR大糸線 信濃松川駅
信濃松川駅から 安曇野ちひろ美術館まで 約2.5km
・タクシー 約5分
・レンタサイクル 約15分
・徒歩 約30分
※ レンタサイクルは、信濃松川駅前で借りることができます。お問い合わせ先:セピア安曇野・松川村観光協会 TEL. 0261-62-6930

●JR大糸線 穂高駅
穂高駅より あづみ野周遊バス利用 約20分
※ あづみ野周遊バス
穂高駅を中心とした安曇野の観光地を巡る周遊バスです (運行区間内は乗り降り自由)。
4月下旬から11月上旬まで土日祝のみ運行。 (ただし、GW・7月下旬~9月上旬は平日も運行)

●JR大糸線 信濃大町駅
信濃大町駅より 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」利用 約35分
※ 信濃大町周遊バス「ぐるりん号」
7月上旬から11月上旬までの土日祝のみ運行。 (ただし、7月下旬~9月上旬は平日も運行)

■長野市からのアクセス
長野駅から JR篠ノ井線にて 松本駅 へ
松本駅で JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

長野駅から 松本駅を経由し、南小谷駅へ行くリゾート列車も利用できます。(1日1往復)

<補足>
長野市からは大町への高速バスもございます。
※ このバスをご利用の場合は、信濃大町駅バス停にて下車、JR大糸線に乗り換え 信濃松川駅 まで電車をご利用ください。
また、7月上旬から11月上旬まで 大町周遊バス「ぐるりん号」が運行しております。安曇野ちひろ美術館を通るコースもございますので、ご利用ください。

■松本市からのアクセス
JR大糸線にて 信濃松川駅 もしくは 穂高駅 下車

[飛行機(信州まつもと空港)からのアクセス]
信州まつもと空港から、安曇野市(穂高駅前)・池田町(道の駅池田)・松川村(すずむし荘)・大町市(大町温泉郷)・白馬村(神城駅、白馬八方バスターミナル)・小谷村(栂池高原)を往復するシャトルバスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 松川村(すずむし荘) 下車 徒歩 5分程度

[都心から高速バスによるアクセス]
東京 新宿駅西口バスターミナル から白馬方面へ高速バスが運行しております。
・安曇野ちひろ美術館最寄の停車バス停 : 安曇野松川 下車 タクシー 約8分

[車によるアクセス]

長野自動車道「安曇野」I.C.より 大町・白馬方面へ 約30分
※駐車台数 200台(第1・2駐車場合計) 大型バス 8台(第1駐車場)
※第1駐車場から美術館までは約徒歩2分です(一部段差あり)。 お体の不自由な方は、身障者用駐車場もございますので、事前にご連絡ください。(TEL:0261-62-0772)

※2012年10月7日より 豊科ICは 安曇野ICへ名称変更いたしました
ホームページ
https://www.chihiro.jp/
会場問合せ先
テレフォンガイド:0261-62-0777
長野県北安曇郡松川村西原3358-24
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