瀬戸正人(1953-)はタイ国ウドーンタニ市に、日本人の父とベトナム人の母のもとに生まれ、1961年に父の故郷である福島県の梁川町に移り住みました。高校卒業後、上京して写真を学び、1996年には特異な視点で都会に生きる人々を見つめた〈Living Room, Tokyo 1989-1994〉〈Silent Mode〉で第21回木村伊兵衛写真賞を受賞。また2021年には第37回写真の町東川賞国内作家賞を受賞するなど、日本を代表する写真家の一人として国内外で活躍しています。本展では、デビュー作〈Bangkok, Hanoi〉、初期から震災後までライフワークとして撮り続けてきた〈Fukushima〉、最新作〈Silent Mode 2020〉までを展示し、瀬戸の「記憶の地図」を辿ります。
また瀬戸は、1987年に自らの発表の場としてギャラリー〈Place M〉を開設。そこを拠点に2000年から写真のワークショップ「夜の写真学校」を始め、多くの参加者と写真に向き合ってきました。本展関連事業として8月から「瀬戸正人写真学校in福島」が開校し、40名の参加者と写真を見ることを実践しながら卒業展示を目指して学んできました。会期中、授業や作品展示がオープンスペースで行われます。是非あわせてご覧下さい。