静岡市出身の芹沢銈介は、10代のころ画家を目指していましたが、20代にはデザイナーとなり、流行を追うモダンボーイでもありました。しかし次第に日本の手仕事の美しさに心ひかれるようになり、30代になって柳宗悦の民藝運動に参加、さらに沖縄の紅型に出会い、自らも染色家となり、型染に没頭しました。日本各地を旅した芹沢は、その自然・手仕事・風景をスケッチし、自らの眼を通して日本の美しさを型染で表現しました。また一方、和紙に型染する手法で、カレンダー、クリスマスカード、年賀状などを工房で量産、まったく新しい日本の手仕事を開拓しました。
本展では、代表作150点を通して、懐かしくも新しい「芹沢銈介の日本」をご覧いただきます。また最後の展示室には芹沢が愛しんだ日本工芸30点も展示します。