絵画の作品には、画家の思考が刻み込まれています。「何を」「どう」描くか、そして「何がいい絵なのか」という問いに対する答えが作品です。
本展では、当館のコレクションの中から絵画作品に焦点をあて、「モチーフ」という視点からその実像に迫ります。
モチーフとは風景や人物のモデルなど、絵に描かれる「対象」を指しますが、そのほか制作の「動機」、作品の「主題」や「構成要素、構成単位」という意味ももちます。抽象的な絵にも、画家がその絵で目指したモチーフが必ずあり、モチーフに迫ることは、画家の設定した絵についての問いと答えに迫ることにつながります。絵画の問題に真摯に向き合う画家の姿は、今日の私たちにも、前向きな気持ちを与えてくれるのではないでしょうか。