1924年オランダのアムステルダムに生まれたヨハン・アルデンドルフは、第二次大戦後にヨーロッパ各地を放浪したあと、南仏のカーニュ・シュール・メールに移り住み、作家活動を行っていました。
コンテ鉛筆の線描のみで緻密に描かれたモノクロームの画面では、憂いを帯びた表情の人々と時計や猿、羽の生えた小さなものなど、独特のモチーフが幻想的な世界をくり広げています。
彼の作品の多くは個人の愛好家が所有しているため、本学で所蔵する全37点のまとまったコレクションは他に例のない貴重なものです。これらは本学写真学科で学科長を務めた写真家の故岩宮武二教授および、本学短期大学部デザイン美術科で学科長を務めたデザイナーの故大高猛教授が、生前にアルデンドルフの魅力に惹かれて収集したものです。
アルデンドルフが単色で描き出す、不思議な世界をご堪能ください。
※本展のポスター、チラシはデザイン学科3年木村紗哉加がデザインしました。