本展は、閉塞的な現代のヴィジョンを、若い作家の絵画とインスタレーションから読みとろうとする試みです。
この6人が、意識的に「不穏な時代」を表現しようとしているわけではありません。しかし、彼らの作品には、この時代環境と向き合い、穏やかでない雰囲気を感じさせてくれるそれぞれの豊かな「内容」があります。それは、彼らの非常に個人的な回路から掘り進んでいった作品が、根源的なものに触れて、時代と社会を映し出しているためなのかもしれません。現代に生きる彼らの絵画から、見る者の日常的な知覚と認識の枠組みをどこかで狂わせてしまうような、特殊なヴィジョンを感じとっていただけるものと思います。
「ゾーンZONE」とは、あなたと作品が共鳴してつくり出す、新しいヴィジョンのための母体(マトリックス)です。自由でアナーキーな可能性に開かれた、この不思議な地帯(ゾーン)へせひいらしてください。