1984(昭和59)年に挿絵専門の美術館としてオープンした弥生美術館は、2004(平成16)年に開館20周年を迎えます。挿絵画家・高畠華宵のコレクション約3500点と、明治末から戦後にかけて活躍した主要な挿絵画家の作品など合計約27000点を収蔵し、挿絵・雑誌・付録・漫画などの「出版美術」をテーマに、実に81回に及ぶ企画展を開催し続けてまいりました。
今度は、弥生美術館の開館20周年を記念して、館のコレクションの主軸でもあり、また開館のきっかけともなった挿絵画家・高畠華宵の大回顧展を開催いたします。華宵のコレクション約3500点の中から初公開作品を含む約400点を厳選し、日本近代の挿絵史を語るうえで欠かすことのできない華宵の魅力を再検証いたします。
甘美な感傷の内にも華麗さを宿し、古き良き大正ロマンと昭和モダンに彩られた、華宵の妖しくも美しい世界をお楽しみください。