スペイン人の芸術家サルバドール・ダリ(1904-1989)は、20世紀を代表する芸術家のひとりです。1920年代末にシュルレアリスム(超現実主義)運動に参加し、精緻な写実描写技術をもって、潜在意識に由来する妄想を抽出する独自の作風を築き、シュルレアリスムの造形芸術に新たな局面を開きました。その作品はヨーロッパにとどまらず、世界中で知られるようになります。
日本でもまた、ダリ作品は大きな衝撃を与えました。とりわけ日本の若い前衛画家たちへの影響は著しく、1930年代にダリ作品が本格的に紹介されると、急速にその影響が彼らの作品に現れます。彼らは各々の感受性をもってダリの芸術を吸収し、独創的な作品を生み出しました。
本展では当館の所蔵作品を中心としたダリの魅惑的な絵画作品をご覧いただくとともに、ダリの衝撃を最初に受け、それらを自らの創作に生かした日本の画家たちの表現もご紹介します。ダリおよび日本の前衛画家たちの作品が見せる、奇想に富んだ魅力的な絵画世界をご堪能ください。
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