日本の近代インテリアデザイナーの草分けとして、日本のみならず海外でも高い評価を受け続けている剣持勇(1921-71)の業績を、ニューヨーク近代美術館にコレクションされた「籐丸椅子」(1964)家具の実作と室内装飾の図面等の資料、建築家・前川国男、丹下建三などとの関係も追いながら紹介する。1933頃に来日中のドイツ人建築家ブルーノ・タウトに師事する。1955年に剣持勇デザイン研究所を設立、1956年の日本室内設計家協会の設立に中心的役割を果たした。剣持は「ジャパニーズ・モダン」というデザイン理念を提唱し、1958年ブリュッセル万国博覧会日本館で前川国男とグランプリを受賞、同年の丹下健三との共作「香川県庁舎」などを契機に、日本的な造形感覚を国際的評価に高め、その後の日本デザインの国際的活躍に果たした貢献は大きく、剣持勇を総合的に検証する展覧会となります。