開館15周年を迎える当館では、開館以来、兵庫県内産の古陶磁と国内外の現代陶芸をコレクションの柱としています。特に現代陶芸では、現代陶芸史の流れを顕著に示す作品とともに、近年の活躍が目覚ましい新進作家の作品にも注目し、収集を続けています。
現代陶芸の大きな特徴一つに、作品の背景に作家が存在することが挙げられます。作品は作家の様々な想いによって生み出され、そこには、心に残ったかたちや風景への共感、めまぐるしく変化していく社会への提唱など様々な事象が内包されています。
本展では、作品に込められたメッセージについて考えるいくつかのキーワードとともに、近年収集した現代陶芸コレクションを紹介します。そのキーワードと作品を結ぶことによって何が見えてくるのでしょうか。答えは必ずしもひとつではなく、様々な解釈が存在するはずです。作品について考え、感じることで、現代の多様な陶による表現のありようをお楽しみいただければ幸いです。