1926年に島根県津和野町に生まれた安野光雅は、絵描きを夢見た少年時代を経て、学校教員の職に就きながら絵に関わる仕事に携わるようになりました。68年に出版した最初の絵本『ふしぎなえ』が人気となり、その後300冊を超える著作が出版されています。絵本作家や画家としての仕事だけでなく、本の装丁やエッセイストとしての仕事など幅広い創作活動に取り組み、50年以上にわたり多彩な活躍を続けてきました。84年には国際アンデルセン賞を受賞、2012年には文化功労者に選出されるほか、数多くの賞を受け国際的にも高い評価を受けています。
本展は、画家の故郷にある津和野町立安野光雅美術館の協力のもと、安野が初期から取り組んできた『ふしぎなえ』や代表作『おおきな ものの すきな おうさま』、国内外の風景を描いた水彩画、『旅の絵本Ⅲ』などの絵本原画を展示します。さらに幼い頃の思い出や昔の風物詩をユーモラスなイラストで綴ったエッセイ、館林にご縁のある上皇后美智子さまの短歌に添えられた植物画(『皇后美智子さまのうた』)など、約150点の作品を紹介いたします。
安野光雅の生み出した風景と絵本の世界をどうぞお楽しみください。