栃木県には、日光・那須・塩原をはじめとする観光地があり、四季を通じて多くの人々が訪れています。日常的な空間を離れて余暇を過ごすことは、かつては限られた人々の楽しみであり、多くの人々にとっては憧れでした。近代になると交通の自由が保証され、やがて鉄道などの交通網が整備されることで、観光旅行や野外で余暇を過ごすことも次第に大衆化していきます。
このテーマ展では館蔵資料の中から、江戸時代の大名などが用いた弁当箱や江戸時代から明治時代にかけて印刷された日光・那須・塩原を描いた絵図、あるいは昭和20年代から30年代に用いられたスキーなど、観光と余暇にかかわる思慮を展示いたします。人々のくらしの一部としての観光と余暇の歴史を振り返っていただければ幸いです。