インドネシア・西ジャワ地方(スンダ地方)の伝統音楽「トゥンバン・スンダ」は、女性の歌、スリン(竹製の縦笛)、ルバブ(胡弓)、カチャピから構成される古典歌曲です。4人の音楽家が、日本の民謡に近い音階の旋律を即興で絡ませる演奏は、典雅な味わいがあり、貴族階級のたしなみとして愛好され、世界中の民俗音楽ファンを魅了しています。今回来日するのは、その真の継承者と言える名手4人で、今回の来日公演のためにグループが結成。さらに、この伝統的な音楽と、現代の自由で軽やかなダンスの出会いを試みます。登場するのは、新鋭コンテンポラリー・ダンサー、ボヴェ太郎。空間を掴み取るようにシャープに、また音と音の間を泳ぐようにしなやかに、音楽から得られたインスピレーションをもとに、ボヴェは即興で踊りを紡いでいきます。なお、コンテンポラリー・ダンスとのコラボレーションは、経験豊かな音楽家たちにとっても初めてのことで、楽しみにしているとのこと。アーティストたちにとって挑戦となるこの出会いは、ゆらぎに彩られた不思議な時空間を生み出し、観る者、聴く者の心をきっと疎的に響かせることでしょう。
展覧会タイトル等から関連資料を連想検索