日本の戦後美術を代表する画家・麻生三郎(1913-2000)は、1948年から1972年までの約25年間、世田谷区三軒茶屋にアトリエを構え、《ひとり》や《赤い空》のシリーズなど、数々の名作をこのアトリエから誕生させました。人間存在の探究を生涯のテーマとして、「人間のいる絵」を独自の徹底したリアリズムで描く麻生三郎の絵画は、生前より高く評価されていました。
本展は没後20年を記念し、麻生三郎の画業が最も充実した「三軒茶屋の頃」に焦点を当て、この時期に制作され、今では全国各地の美術館や個人所蔵となっている作品を集め、麻生三郎の世田谷時代を検証します。