東洋の絵画には、二幅対(にふくつい)や三幅対(さんぷくつい)など、複数の掛幅からなる対幅(ついふく)や、右隻(うせき)と左隻(させき)で1双(そう)となる屏風など、〈対〉で成り立つ作品が数多くあります。対幅は全体としてだけではなく、単幅や異なる組み合わせでも鑑賞できる性質をもっています。そのため、伝来の途中で四幅対が2幅ずつに分割されたり、あるいは逆に別々の作品が組み合わされて対幅に仕立てられるということもおこりました。
この展覧会では、「〈対〉で見る絵画」の各幅・各隻相互の連続性や独立性、対比のおもしろさや全体の完結性など、その見どころの多様さをお楽しみいただきます。合わせて、刀装金具に表された対の図様にもご注目ください。