19世紀末、フランス北東部のナンシーを拠点に活躍したエミール・ガレ(1846-1904)。日本をはじめとする異国の文物や身近な自然の姿を見つめ、そこから独自の表現を生み出すことでアール・ヌーヴォーの立役者となったガレは、自身が率いるガレ商会のアート・ディレクター的存在として、ガラス・木工家具・陶芸の全ての作品のフォルムや装飾図案を決定し、数多くの作品を世に出しました。
本展では、新しい表現を生み出そうとする絶え間ない創意と情熱に裏打ちされたガレの業績を、約90点の陶芸作品を通して紹介します。ガレの陶芸を中心に取り上げた展覧会は少なく、本展はとりわけ初期の作品から、陶芸制作が佳境に入った1880年代後半の大作がまとめて出展される貴重な機会です。ガレの飽くなき創造世界が垣間見える、多彩な陶芸作品の魅力をお楽しみください。