日本の古典音楽には、宮廷の式楽である雅楽をはじめ、武家の式楽である能楽、語り物の元祖である平家琵琶(へいけびわ)などがあります。笙(しょう)や琵琶(びわ)・箏(そう)などの楽器のなかには、インド・ペルシアに起源を持つ楽器や、笛や太鼓のように形を変えながら広く普及していった楽器もあり、それぞれ歴史とともに発展しました。また、江戸時代の大名の間では能楽が必須の教養であったため、尾張徳川家でも能楽に用いられる楽器を中心に、雅楽の楽器や女性の教養であった箏・三味線、琉球王から贈られた琉球楽器一式なども伝えられました。今回の展覧会では尾張徳川家に伝わったさまざまな楽器を一堂に紹介しつつ、日本の音楽の流れを紹介します。