2008年に開館した碧南市藤井達吉現代美術館は、2020年2月24日[月・祝]を最後に休館に入ります。施設の増築や老朽化した設備の保全工事を行った後、2021年秋にリニューアルオープンする予定です。そのため、当館はこれから休館までの間、美術館が歩んできた10年を振り返る事業を実施します。また、休館中も美術の楽しさをみなさまに伝える活動を継続していく所存です。タイトルに付した「ECHO」は、「こだま」のことです。当館が10年積み重ねてきた活動が、こだまのように広がり、やがて何かのかたちで館に戻ってくることを願って付けました。また、「回向(えこう)」の言葉を並べたのは、この仏教用語を思い重ねて活動を進めていくためです。「回向」は、辞書には「回り差し向ける」とあり、僧侶や自分が修得した善根の功徳を他に回し向けることを意味します。当館は、願わくは休館中も未来へのご意見・ご提言を賜り、2021年秋に再び良き船出をしたいと考えています。今後も引き続き、碧南市藤井達吉現代美術館をご支援ください。
碧南市出身で「人造石(長七たたき)」を考案した服部長七(1840-1919)の没後100年を記念した企画展です。
長七は三和土(たたき)を改良した人造石(長七たたき)を考案しました。この工法は、四日市旧港潮吹防波堤(重要文化財)、豊橋の神野新田堤防や、今年に入り発見された碧南市前浜新田護岸など、全国各地で築堤、築港、樋管などの大小の土木工事で行われました。本展では、こうした服部長七の事績について、長七が復興に尽力した岩津天満宮の所蔵品を中心にご覧いただきます。