私の幼少時代は激しい虐待により、言葉を奪われ家庭に閉じ込められていました。何も感情を出せない中で、時代の変化、社会問題、環境同題を考えていました。暗い闇の中で考えるのは、街のショーウィンドウに飾られていた島籠やシャンデリアなどのオブジェ、花や鳥などへの憧れ。美しく造られ暴カの手や言業の届かない場所に置かれるモノになりたいと密かに願っていました。将来の夢はモノになること。自分自身を無にすることから始め無限の想像を生み出すのが生きる術だと感じたからです。17歳で芸能界に入り、被写体というモノになった時、私はようやく自分を作っていくことができ始めたのです。
人は誰でも、自我と無我があり、心に何らかの表現があります。それは記憶と共に生きて活き続けるからだと思います。
私自身も、これまで生きてきた私を、作品にして活き続けてきました。
誰もが見てきた風景や文字、絵、写真、時事、人々、その何もかもは「エチカ」です。
私自身はまだまだ小さいですが、あらゆる場で共に表現し続けてきた尊教するアーティストさんたちと、50年生きたエチカを創造しました。何年経っても人は自由であり、人は支え合い、誰もがどこかしらで何ものかを表現している、見てくださる皆さんがご自分の大切な記憶を回想していただけたらと思います。
仙葉由季