わたしたちは、「人と人とのはざま」、言い換えるならば、「余白」が失われようとしている社会の中を生きています。
例を挙げるなら、高度な情報テクノロジーの発達により、わたしたちはいつでもどこでも情報を得たり、作業をしたりすることができますが、「何もしない時間」を得ることは難しくなりました。
また、メールやSNSなどによる間断のないコミュニケーションによりかえって、誰かの話にじっくり耳を傾ける機会が失われているように思われます。
それは、わたしたちの社会から「余白」を取り去る、抗いがたい流れでもあるといえるでしょう。決してわたしたちは自らを追い込んだり、自由を奪われたりすることを望んではいませんが、自らの「効率」「利便性」「快適さ」への欲望が、上記のような現象を生んでいるのだと思います。
今回のLINK展17 元・淳風小学校会場では、“わたしたちが失った余白”をテーマとして、作家たちが社会の中で失われてしまった、あるいは失われようとしている余白について思いを馳せ、それぞれの考えを形にしました。