想像力豊かに、懐かしくも新しい世界を描き出す、「カボチャラダムス」こと川原田徹による水彩・版画作品を展示します。50年前と現在を比べてみると、私たちが住んでいる町の風景は大きく変わりました。私たちは日常の忙しさに追われて、私たちが住んでいる町の魅力や、色々と想像力を働かせたりする喜びなど、つい忘れてしまいそうになります。川原田徹の作品には、「チンチン電車」や、「広告バルーン」や「もうもうと煙をあげる煙突」など、現在もところどころに残る昔ながらの景色や生活の様子が描かれています。いったん忘れたかけたそれら懐かしきものたちは、逆に私たちに新たな発見をもたらしてくれます。いわば記憶の貯金箱です。また、彼の作品世界では、カボチャやサザエが共同住宅や車に変身し、その中でいいいきと生活するたくさんの村人(?)たちが描かれています。
この展示では、絵本『かぼちゃ人類学入門』(1994年、福音館書店)の原画の水彩作品をはじめ、銅版画など合計約30点により懐かしくも新しい川原田徹の世界を紹介します。