夕張市出身の木下勘二(1917-1989)は、夕張市の美術教員として働きながら、道展、国画会の国展などに出品した油彩画家です。1970年に北海道釧路江南高等学校に赴任してからも、制作活動を続けながら、美術の指導者として、多くの人を育ててきました。
現在、夕張市には60点以上の木下作品が保管されています。道展に初入選した作品から、釧路で描いた大作、実験的な抽象作品まで、作者の画業を大観する重要なコレクションです。本展では、これらの作品群に当館のコレクションを加えた約70点を展示し、半世紀にわたる画業を振り返ります。
木下勘二の作品のテーマは、身の周りの風景、とりわけ、心に残ったイメージを描く心象風景でした。作品と向き合うことで、時代、生活、そして画家が歩んだ人生を感じ取っていただければ幸いです。