2020年は、日本画家・片岡球子と抽象画家・難波田龍起の生誕115年にあたります。
片岡球子(1905/明治38~2008/平成20)は札幌に生まれ育ち、上京して女子美術学校で日本画を学びました。院展を舞台に、日本の伝統芸能、各地の名山、歴史上の人物の「面構(つらがまえ)」、そして裸婦等をテーマとした作品を発表。その鮮烈な色彩と大胆な造形、躍動するような生命感、現代的な人間表現は、今日の日本画においてなお独自の輝きを放ってやみません。
難波田龍起(1905/明治38~1997/平成9)は旭川に生まれ、東京で育ちました。初期には風景画や古代ギリシャイメージを描きましたが、戦後、次第に画面の抽象化を強めていきます。内面的で現代的な造形を求める長い歩みを経て、抽象という20世紀の造形思考を、時代にとらわれない骨太な人間性の表現へと転回させ、詩心と思索に満ちた絵画の世界を切り拓きました。
本展では、片岡球子と難波田龍起の充実したコレクションを有する北海道立近代美術館の代表的な作品を中心に、合わせて約60点を紹介します。