新見市の主要産業は石灰工業で、石灰を英語で「ライム」と呼びます。その石灰を使ったアート作品を「ライムアート」と名付け、芸術にまで昇華させた創作活動を行っているのが浪崎文彰です。
浪崎は、型押しによる石灰の凹みに染色した石灰を伏せ込み磨きだすといった、独自の技法を用い、空気中の二酸化炭素を吸収しながら硬化していく石灰の特性によって、表面にカルサイトという硬質なガラス質の結晶が形成されることで、壁画や大理石を思わせる独特なマティエールを持つ作品を創作しています。
本展覧会では、浪崎文彰氏のライムアート作品およそ50点により、令和時代にふさわしい新しいジャンルの美術、ライムアートの世界を紹介することで、石灰の町新見が官民一体となり、市の財産である石灰を今後いかに活かした町づくりを行っていけるか、それを問う展覧会となれば幸いです。