戦(いくさ)の世を駆け抜けた数多くの武将たち。その生涯や活躍した戦いの様子などは、時に史実に基きながら、時に脚色もされつつ、後世に語り継がれていきました。庶民向けの様々なメディアが登場した江戸時代に入ると、古(いにしえ)の武将たちは出版物や芸能の題材ともなり、広く世に知られるようになり、人気を博していったのです。とりわけ、江戸時代後期から明治時代にかけて、中世の武将を取り上げた浮世絵版画や和本が数多く作られました。
そこで本展は、これらの中から、富山ゆかりの武将を扱ったものを取り上げます。木曽義仲、上杉謙信、豊臣秀吉、石田三成、柴田勝家といった名だたる武将たちが、実は富山と様々な関係があったという事実は、十分には知られていません。知る人ぞ知る富山とのつながりについて、描かれた姿を介して紐解くことで、皆様が富山の歴史に思いを馳せる糸口となれば幸いです。